9:30頃 CO2を排出しない電気バスでアルペンルートをスタート！

立山黒部アルペンルートの長野側起点扇沢駅へはJR信濃大町駅またはJR長野駅からバスが運行しています。期間限定で東京・大阪から直行高速バスが運行されることもあり日程が合えば便利です。扇沢駅から電気バスに乗って関電トンネルを通り抜け黒部ダム駅に向かいます。バスの中からでもひんやりした雰囲気を感じる平均気温約10度のトンネルを進むと、やがて標識や青い照明で提示された「破砕帯」というエリアを通過。破砕帯とは岩盤内に地下水を溜め込んだ非常に軟弱な地層のことで、関電トンネル全長5.4kmのうちわずか80mの破砕帯を突破するのになんと7か月もかかったというくろよん建設最大の難所です。下車しての観光はできず車窓からの見学になりますが、当時突破不可能といわれた苛酷な工事に思いをはせてみてください。

電気バスにて「扇沢駅」乗車約16分「黒部ダム駅」下車後徒歩約10分

黒部ダム全景を眼下に！大パノラマ撮影スポット

黒部ダム駅からは地中階段で黒部ダム展望台へ。「黒部ダムへ　階段上り220段か階段下り60段」の分かれ道は展望台へ直行する220段の方へ進みます。所々に設けられた踊り場で一息入れながらゆっくり上りましょう。途中、キンキンに冷えた破砕帯からの湧水を汲めますので空のペットボトルか水筒があるといいですね。展望台に着くと突然広がる立山連峰とダムの展望に目を奪われます。この展望台は黒部ダムで1番高いところから巨大なダム全体を見下ろせる絶好の撮影スポット。早朝のダムは日陰になっているので、まずは展望台レストハウスでダムを眼下に朝食やお茶をいただくのがおすすめです。

約1分

ダムを見下ろしながらいただく名物ハサイダーとダムカレー

黒部ダム展望台とほぼ同じ高さからダムを一望できる休憩スポット。ガラス張りの窓際の席でダムを眼下に眺めながらコーヒーや軽食はいかがですか。食事メニューは堰堤そばの黒部ダムレストハウスのほうが種類豊富ですが、こちらでも名物ダムカレーや破砕帯水を使用したハサイダーを味わえます。展望台レストハウスのほうが空いていることが多いので、ぜひ立ち寄ってみてください。黒部ダムならではのお土産も揃っています。

約10分

黒部ダム観光名物！大迫力の観光放水を間近で「浴びる」

ダム展望台から外階段を下り、放水観覧ステージを経て最終地点のレインボーテラスへ向かいます。圧巻の大放水を一番近くからほぼ真横に眺められ、滝のように見えた放水が実は霧状に放出されていることまで見てとれます。午前中に訪れると美しい虹を見られる可能性も。水しぶきがミストシャワーのように降り注ぎ爽やかですが、風のある日は飛ばされやすい帽子や日傘に注意してください。外階段は崖にはりついていて素通しなので高所恐怖症の人には厳しいかもしれません。怖い場合は無理せず地中階段を戻り、ダム堰堤に出てから放水観覧ステージまで行ってみましょう。バリアフリーのスロープが続いており、こちらからもダムをかなり近くに見ることができます。

約1分

「黒部の太陽」セットでダムの歴史を知る

黒部ダム建設工事の歴史を紹介するボードや映画「黒部の太陽」の撮影セット（レプリカ）や写真パネルが展示されています。「黒部の太陽」は世紀の大工事と言われた黒部ダム建設の実話をベースにした石原裕次郎主演の映画です。レプリカとはいえ巨大なトンネルセットの中に立つと大工事の臨場感が感じられ、先ほど通ってきた関電トンネルも思い出されるかもしれません。苦難を極めた建設の歴史を知った後ダムを見ると感動が更に深まることでしょう。

約15分

日本一のえん堤からダムを見下ろしてみよう

階段を上って黒部ダムレストハウスで食事やお土産を見たら、美しい弧を描くダムえん堤を歩いて渡りましょう。ダムを渡っているとは思えない幅広さで、長さは492m続いており、真夏の日差しはかなりのものです。付近をマスコットキャラの「くろにょん」がお散歩しているかもしれません。えん堤にはダム全体をバックに写真が撮れる遠隔撮影システム「ふぉっとダム」のリモコンボックスが設置されています。（「ふぉっとダム」はレインボーテラスにも設置）様々な角度から眺められるのが黒部ダムの魅力ですが、えん堤上でも色々な場所から観光放水を見下ろしてみましょう。虹を真上から見るというめったにない経験ができるかも。

約10分

日本一高所の遊覧船で青い黒部湖をクルーズ

時間に余裕があれば、美しく青く輝く黒部湖をクルーズしてみてはいかがでしょうか。黒部湖遊覧船ガルベは満水時の湖面標高が1,448mとなる日本一高所の遊覧船で、黒部湖を30分かけて6km遡って周遊します。チケット売り場から湖面の遊覧船乗り場までは水位によって差がありますが、100段前後の階段が続いていますので注意しましょう。混雑している時もありますので、ゆとりをもったスケジュールがおすすめです。

「黒部湖駅」まで徒歩約10分、ケーブルカーにて「黒部湖駅」乗車約5分「黒部平駅」下車すぐ

パノラマテラスで黒部平限定ブラックソフトクリームを

日本で唯一の全線地下式のケーブルカーで標高400mを一気に上ります。圧巻の黒部ダムと大パノラマの大観峰にはさまれた黒部平は通過点になってしまうことが多いですが、屋上には気持ちの良いパノラマテラスがあり立山連峰の山々をのぞめます。駅のそばには小規模な庭園があるので、ロープウェーの待ち時間に高山植物の間を散策もおすすめ。レストランや売店も充実しており、中でも濃厚なチョコ風味の黒部平限定ブラックソフトクリームが人気です。

立山ロープウェイで約7分

絶壁の雲上テラスからの大絶景

黒部平駅から立山ロープウェイでいよいよ標高2,000m超えです。途中に支柱が1本もないワンスパン式ロープウェイとして日本最長の1.7Km。大きな窓から遮るもののない360度の大パノラマが広がります。大観峰駅は断崖絶壁に立っているので外に出ることはできませんが、屋上の雲上テラスから素晴らしい絶景を楽しめます。天気に恵まれれば黒部湖がはるか下に小さく緑色の姿を見せているでしょう。レストランはありませんが売店で名物のおこわおにぎりなどを購入できます。

立山トンネルトロリーバスで約10分

16:00頃 立山黒部アルペンルートの最高地点に到着！

立山の主峰・3,003mの雄山直下を貫く立山トンネルをトロリーバスで走り抜けると、日本最高地点の鉄道駅「室堂駅」に到着です。駅の中の階段を上って外に出ると思わず息をのむ雲上の楽園が迎えてくれます。アルペンルート観光の拠点室堂周辺には、宿泊施設が6軒あります。晴天時には空を埋め尽くすほどの星空鑑賞を楽しめます。標高2,450mの高原は日が暮れると急に冷え込み夜はかなり寒くなるため、防寒対策を忘れずに。

9:00頃 出発！

約1分

口当たり柔らかな名水を汲んで散策に出発

立山黒部アルペンルートには「日本一高い所」がたくさんありますが、この立山玉殿の湧水も日本最高所で採水される湧水です。立山断層破砕帯から湧き出しており日本の名水100選にも選ばれています。水温は2度～5度。雪解けまでの間で枯れてしまう可能性もある貴重な湧水。ぜひ空のペットボトルや水筒を持参して冷たく柔らかな美味しい水を汲んでおきましょう。室堂駅にはコインロッカーや小さいながら更衣室もありますので身軽になって散策に出かけられます。

約1分

お散歩気分からプチ登山気分も味わえるトレッキングを体験

室堂平は立山連峰の雄大な姿をのぞむなだらかな高原です。石畳の遊歩道が整備されているので体力・滞在時間に合わせてトレッキングを楽しめます。今回ご紹介するコースは比較的アップダウンが少なく気軽に散策できますが、歩きやすい靴を履き、天候が変わりやすいので雨具を携帯するほうがよいでしょう。標高が高く空気が薄いので通常より余裕をもった計画をたてましょう。思わず深呼吸したくなる美しい散策路ですから、多めに時間をとってとにかくのんびり過ごすのもおすすめ。足元に咲き誇る可憐な高山植物もお見逃しなく。

約20分

静かな小さな池に輝く絵画のような景色

室堂駅をあとにし、日本最古の山小屋・立山室堂を経てみどりが池へ。人気のみくりが池より小さくて訪れる人も少ないのですが、その分静かで落ち着いて景観を楽しめます。風のない日は立山三山が水面に映り、絵画のような美しさ。遊歩道が池のすぐそばを通っているので間近から撮影できます。みどりが池の絶景を満喫した後は、緑の絨毯のように広がるハイマツと艶やかに咲く高山植物にふちどられた遊歩道をゆったり歩いていきましょう。ハイマツ帯を安息の地にしている雷鳥に運が良ければ会えるかもしれません。

約20分

紺碧の池に隠れたハートを探そう

室堂のシンボルともいえるみくりが池は火山湖で深さ15m、周囲631mの室堂で最大・最深の池です。「みくり」は「神様の台所」という意味で古来神聖な場所とされていました。冬の間は雪に覆われており、雪解けと共に現われる紺碧の水面に立山三山が浮かぶ神秘的な姿は必見です。7月から8月は雪が残っていることもありますが、白い残雪に縁どられた姿も静謐な美しさで、引き込まれそうな深い青です。雪が消えると池に映る山影で大きなハート型が現われるそうですよ。みくりが池温泉下の階段からぜひ探してみてください。

約1分

硫黄の香りただよう日本一標高の高い天然温泉で日帰り入浴

みくりが池のすぐそばにある山小屋「みくりが池温泉」は日本で一番高いところにある天然温泉です。源泉は地獄谷にあり、無加水無加温の源泉かけ流し。露天風呂はありませんが浴室の窓から見える景色と白いにごり湯が素晴らしいので、ぜひ体験してください。お湯はやや熱め、備え付けのボディシャンプーとリンスインシャンプーがありますが、タオルは有料。入浴後はブルーべリーソフトクリームや「エンマ様のホットピザ」が人気の喫茶みくりで一休み。建物前のベンチエリアが爽快でおすすめです。お土産コーナーに並ぶオコジョがあしらわれたオリジナルグッズもかわいい。

「室堂駅」まで徒歩約10分、立山高原バス乗車約50分「美女平駅」下車。立山ケーブルカーに乗車約7分「立山駅」下車

立山黒部アルペンルート富山側の入り口

立山高原バスで標高2,450mの室堂から977mの美女平へ。その後立山ケーブルカーで標高475mの立山駅へ向かいます。標高差2,000mを一気に降りていき低山の森林帯まで。たくさんの乗り物を乗り継いで北アルプスを越えてきたアルペンルートの最後の乗り物です。立山黒部アルペンルートの富山側起点にして長野側起点ルートの最終地点「立山駅」はロッジ風の建物。1階が富山地方鉄道の駅なので、コインロッカーや休憩室も整備されており、ここでも美味しい湧水を汲むことができます。立山黒部アルペンルートでは湧水を汲めるポイントが多いので水を買う必要はないかもしれません。

「立山駅」で称名滝探勝バス乗車約15分、「称名滝」バス停下車後、徒歩約30分

マイナスイオンたっぷり！ 落差日本一の称名滝でミストを浴びる

時間と体力に余裕があれば、水量と爆音に度肝を抜かれる称名の滝まで足をのばしてみてください。350mの落差は日本一で「日本の滝100選」にも選ばれています。立山連峰の雪解け水が流れ込む春から夏は水量が増加し、滝周辺にも水しぶきが漂い、油断するとびしょぬれになってしまうほど。最寄りのバス停から舗装された道をほぼ1km歩きますが、ゆるいながらも上り坂が続くので30分はかかります。旅の最初に巨大人口建造物黒部ダムのミストを浴び、最後に自然が生んだ巨大な滝のミストを浴びるのも面白いかもしれません。帰りは途中のレストハウス称名でかき氷やソフトクリームで疲れを癒しましょう。

「称名滝」バス停まで徒歩約30分、称名滝探勝バスに乗車し約15分「立山駅」下車。富山地方鉄道に乗り換えて約1時間5分「電鉄富山駅」下車すぐ

便利な駅前で富山の旬に舌鼓

JR富山駅から直通、高速バス乗り場も目の前にある抜群の立地で富山の特産品や名物がそろいます。広すぎないので買い物もしやすく、コインロッカーもあるので身軽に動き回れます。魚が美味しい富山ではお寿司がおすすめ。「廻る富山湾 すし玉」はリーズナブルに新鮮なお寿司を味わえる人気店です。富山湾の名物をセットにしたメニューもあるのでぜひチェックしてみてくださいね。

約1分